こんにちは、ぱぱけん (@yi_ki411) です。
一級建築士 学科試験「学科Ⅲ 法規」は最重要科目と言われます。
なぜ重要なのか?
その理由は、
・「法令集」という「答え」を持ち込める異質のルールである
・勉強に時間がかかる
・試験は時間との勝負になる
・それでいて、最大の得点源である
だと私は考えます。
一級建築士 学科試験を通過するためには、法規を制する必要があります。
本記事では法規の勉強方法やスケジュール、本試験の攻略法について、私の実体験をもとに解説していきます。
法規の勉強スケジュール
法規の勉強はいつ頃から始めればいいんだろう…?
法規は早期に勉強をスタートしたほうがいいね。ちなみに私は一番初めに手を付けたよ。
法規は早めに勉強を開始しよう
冒頭にお話しした通り、法規の勉強には時間がかかります。
安定した得点をとれるようになるまではかなりの努力と時間を要します。
ですので、できる限り早い時期に勉強を開始して下さい。
受験年度前年の12月中には法令集の線引きを終わらせる
受験する年の1月から法規の勉強を開始するのが理想です。
よって、「法令集の線引き」を受験年度前年の12月中には終わらせておきたいです。
私は10月から総合資格学院に通っていましたが、学校からは年内で線引きを終わらせるよう強く指導されました。1月から本格的に講義が始まるためです。この時点で法令集の線引きが終わっていないと遅れをとることになります。
そして、この法令集の線引き自体がそもそも時間のかかる地獄の作業です。
準備作業:法令集の線引き
法規の勉強を開始する前に、法令集の線引きをする必要があります。
勉強を進めながら線引きをするのではなく、まずは線を引くことだけに専念して下さい。その方が結果的に効率が良いです。
法令集の線引きについては以下の記事にまとめていますので参考にして下さい。↓
第一段階は「過去問をこなす」
法令集の線引きが終わったらいよいよ法規の勉強を開始します。
何から始めるかというと、「ひたすら過去問を解く」ことです。
え?たったそれだけ?いきなり過去問?
とあっけにとられるかもしれませんが、
法規の特色は「法令集に答えがある」というところです。
参考書やテキストのようなもので条文の意味や内容を理解していくより、
実際の問題と法令集で勉強していく方が効率がよく、理にかなっています。
参考書やテキストは、条文や問題集の解説を見てもわからない場合に、補足的に使って下さい。
これに対して、例えば構造力学であれば公式を覚えたり解き方を覚えてから過去問を解いてみる、
環境・設備では事象や概念の理解から入り、公式を覚え、そのあと問題を解いていきます。
法規は少し勉強のプロセスが違うのです。(※資格学校は違うことを言うかもしれません。あくまで私の考えです。)
過去問11年分を2~3周解く
過去問は11年分で大丈夫です。
よく「15年分」とか「20年分」とかいう意見を聞きますが、そんなにやる必要はないです。
なぜなら私が11年分で合格しているからです。直前の模試では安定して9割、本試験では26点とっています。
ですので11年分で十分だと思っています。
2周目からは間違った問題にチェックを入れたり、自信がない選択肢にマーカーを入れたりして3週目以降に備えて下さい。
正答肢以外の選択肢の解説も必ず読み込んで下さい。つまり、全肢に目を通していくということです。
当面は時間配分は気にしなくていい
この時期は時間配分を気にせず、ゆっくり着実に問題を解いて下さい。
問題文をしっかり読み、解説と法令集の条文を理解できるまで熟読する。
これが大事です。
初受験や独学の人は
初受験や独学の方は法令集を使ってなにをどうすればいいかもわからないと思いますので、
最初は解説を見ながら1肢ずつ、法令集と一緒に読み込みをしていって下さい。
どういう出題のされ方をするのか、どの条文が頻出なのか、その感覚を掴んでいく必要があります。
私も初受験でストレート合格していますが、法規に関しては最初は右も左もわからない感じでした。
それでも半年ほどで法令集を見ずに解けるレベルに達しています。
正しいやり方で勉強を進めれば必ずできるようになります。
法令集を育てていく
過去問を解きながら、法令集の線引きをさらに充実させていきます。
法令集の育て方については以下の記事にまとめていますので参考にして下さい。
法規に関しては資格学校の講義がおすすめ
前述したように、法規に関しては参考書やテキストを使って理解していくような科目ではないので、
初受験や独学の方は勉強初期の段階において勉強の進め方がわからなかったり条文がなかなか頭に入ってこなかったり、
モチベーションの維持が難しいかと思います。
そこで、資格学校の単発講義や期間限定の講義に参加してみるのも手です。
資格学校の法規の講義はかなりタメになります。
私自身はそもそも資格学校に通っていましたが、正直なところ学科Ⅰ計画や学科Ⅴ施工は暗記科目であり、
講義に出る必要はないと思っていました。(事実、何回か欠席してます。)
ですが、法規の講義に関しては絶対に欠席したくないと思うほど、講義に出るか出ないかの差を大きく感じていました。
法規も最終的には暗記科目ですが、そこに至るまでの条文理解やテクニックがなかなか独学では身につかないのです。
資格学校の営業は少々しつこいですが…長期休暇の講習などに限定して参加してみることをおすすめします。
第二段階は「暗記」
法規は暗記量がものを言う
冒頭に説明した通り、法規の試験は時間との勝負になります。
本試験では、なるべく法令集をひかずに解いていく必要があります。
この段階で3周ほど過去問を解いていると思いますので、法令集を引かずに問題を解く訓練をしていって下さい。
問題文の暗記、条文の暗記、数値や式の暗記など、頻出問題から優先して覚えていってください。
暗記量が多ければ多いほど法規は有利です。
よく出会う条文は強調していく
暗記の手助けのために、法令集の線引きを充実させていきます。
マーカーを活用し、よく出会う条文は強調していくことで、視覚的な記憶につながり、暗記の手助けになります。
法令集の育て方については以下の記事にまとめていますので参考にして下さい。
「建築士法」は得点源!
「建築士法」は毎年3~4問出題されていますが、この分野は比較的条文も読みやすくすぐに答えが見つかるため、得点源となります。
とはいえ、出題範囲はそれなりに広いので、過去問は同じように解き、できる限り暗記をして下さい。
第三段階は「時間の感覚を養う」
結局は時間との勝負になる
法規の試験時間は1時間45分(=105分)です。
問題数は30問ですので、逆算すると、1問平均=3分30秒で解く必要があります。
1問4肢ありますので、1肢平均52秒です。
つまり、1肢に1分かけていたらタイムオーバーです。
初見問題で普段通りに法令集を引く場合、1分で見つからないことは多々あります。
ですから、法令集を引かずに解く問題数を増やす必要があるわけです。
「1問平均3分30秒」の感覚を身につけ、
これ以上時間をかけたらNGというラインで次の問題へ移行する判断をする。
これが法規攻略のテクニックのひとつです。
模試を積極的に受験する
前述のような時間の感覚を養うために、模試を積極的に受験して下さい。
市販の模試や資格学校の公開模試でも構いません。
本試験の攻略方法と目標点数
なるべく法令集を引かない
これまで解説してきたことの集大成になりますが、本試験は
「なるべく法令集をひかずに」問題を解いていくこと
これがすべてです。
そのために過去問をこなし、暗記をし、時間の感覚を養う必要があるというわけです。
わからない問題はいったん飛ばす
本番は焦りが生じ、ついつい1問に執着して法令集とにらめっこしてしまいます。
だからこそ模試などで時間の感覚を養う必要があるわけですが、
いま苦戦しているその1問を飛ばす勇気
これを決して忘れないようにしないと、すべてが台無しになります。
わからない問題はいったん飛ばして、時間が余ればあとで戻ってくればいいのです。
まずは先の問題をこなして得点を伸ばすことのほうが重要です。
目標点数はズバリ 27点!(9割)
資格学校では目標点30点(満点)と言われていました。
最重要科目であり得点源ですから、学校がそう言うのは理解できます。
現に、学科試験の合格者で法規満点をとる方は多いです。
ですが、満点を目標にすると、前述したようなわからない問題に直面した時にあきらめきれなくなるのではと思います。
これは持論ですが、
目標は27点(9割)とする。
3問は落とせると思っていたほうが気が楽になり本試験での焦りも少しは軽減できるのではと思います。
まとめ
本記事では法規の勉強法について、解説しました。
冒頭に述べた通り、法規は最重要科目であり、ライバルたちは同じように得点源と考え準備をしてきます。
合格するためには法規を制することがほぼ必須条件です。本記事が少しでも参考になれば幸いです。