設計事務所とは?建築業界での役割や仕事内容、種類を徹底解説!!

  • URLをコピーしました!

こんにちは、ぱぱけん (@yi_ki411) です。

建築業界には欠かせない「設計事務所」。
ですが、建築業界における役割やその仕事内容、どんな事務所や会社があるのかを知らない方は多いのではないでしょうか。
本記事では「設計事務所」について解説していきます。

目次

設計事務所とは?

設計事務所の定義

「設計事務所」という場合、「建築設計事務所」を指す場合がほとんどです。

建築設計事務所とは、建築物の計画立案、設計、監理を業務とする事務所です。

日本の法律では、管理建築士を置き、「建築士事務所」として都道府県に登録をする必要があります。
住宅から大規模建築物まで、幅広い規模において設計事務所が活躍しています。

一定規模以上の建築物の設計を行う設計事務所には必ず一級建築士が所属しています。
一級建築士についてはに下記の記事も参考にしてください

建築設計には3つの分野がある

「建築設計」には意匠設計、構造設計、設備設計の分野があり、それぞれの分野の事務所または個人が集まり設計業務を行います。
実務では、意匠設計の事務所または個人が設計を統括していることがほとんどです。

ここでいう「個人」というのは「建築家」と呼称される人のことで、
近年では新国立競技場の設計者である隈研吾氏などが有名ですね。

設計事務所の役割や仕事内容とは?

建物を建築するにあたって設計事務所は

  • 建物を「設計」し、(=設計業務
  • 工事開始から完成まではその品質や工程などを「監理」します。(=監理業務

設計業務について

建物を設計するには大きく3つの段階があります。

企画・調査~基本構想

建築主(=施主、顧客)の目的やニーズを確認し、要求性能を整理し、予算をたて、
法的制約を確認し、敷地条件地盤条件などの調査を行い、その後の設計作業に繋げていきます。

ここでは細かな設計を行うわけではなく、建物の規模やおおまかな構想、デザインなどを決めていきます

建物の設計を開始する前の準備作業です。

基本設計

この段階で初めて「図面」の作成を進めていきます。
詳細図ではなく、平面図や断面図、立面図といった一般図を主とします。

基本設計段階では、都度図面や資料を確認しながら建築主と打ち合わせを行い、要望や予算とのバランスを見ながら各種の仕様を決めていきます。

この時点で施工者が決定している場合、施工者も含めて打ち合わせを行うことでより経済的な設計を目指す場合もあります

次の実施設計へ進む前に、この段階で建築主の要望や法的事項をクリアしておく必要があります

実施設計~建築確認申請

基本設計に基づいて、より詳細な設計図、設計図書の作成を行います。

この時点で、「構造設計」、「設備設計」も詳細な設計を進め、
構造図設備図といった設計図書の一部の作成を進めていきます。

この段階における設計図書の成果品を「実施設計図」と呼び、
この図面をもって工事の契約を行い施工に着手することになります。

ただし、建築物の工事に着手するためには、当該建築物の「建築確認申請」を建築主事または指定確認検査機関へ提出し、受理される必要があります。

建築確認申請が受理されると「確認済証」が発行されます。これが工事着手OKの合図です。

監理業務について

監理」という言葉は建築業界以外ではあまり慣れ親しんだ言葉ではないかもしれませんが、「監督と管理」という意味です。

自分たちが作成した設計図書通りに工事が実施されているかを監督、管理することで、
間違った施工がされている場合は施工者に対して是正させる立場となります。

同じ読み方の「管理」より意味合い的には少し権限を持ったイメージです。

工事監理について

工事期間中は各段階で設計図書通りの施工が行われているか、
監理者」が現場に立ち会いチェックをします。そのほか、品質書類などの書類チェックも行います

この監理業務は、設計者とは別の会社(設計事務所)が受託している場合も多くあります

施工者は「管理」する

工事を行う施工者は工事を「管理」します。「監理」ではありません。
「施工管理」という言葉があるように、自分たちの施工を自ら管理します。

建築業界では2つの「カンリ」があり時折混同されがちなので、
「監理」の「皿」をとり、「サラカン」、「管理」の「竹」をとり「タケカン」なんて言ったりします。

設計事務所の種類

設計事務所には大きく3種類あります。

アトリエ系設計事務所

作品性やデザイン性に富んだ設計を行う小規模の事務所を「アトリエ系設計事務所」と呼びます。

個人の建築家が主宰している場合がほとんどです。
建築物を「作品」と捉え、建築雑誌に発表する建築も多いです。

意匠設計に特化している場合が多く、そのような場合は構造設計や設備設計は他の事務所と組んでプロジェクトをまとめ上げます。

組織系設計事務所

会社の規模が大きく、設計する建築物の規模も大きなものが多い組織的設計事務所を「組織系設計事務所」と呼びます。

構造設計や設備設計も同企業に社員がおり、工事監理まで一貫して行う場合が多いです。

アトリエ系設計事務所と比較すると経済性や顧客信用を重視しており、芸術的な試行を自由に行うことは少ないです。
とはいってもデザイン性に劣るわけではなく、オリジナリティーのある建築物も多数存在しています。

その他の設計事務所

ハウスメーカーやゼネコンにも設計事務所をもつ会社が多くあります。
特に「設計施工」(設計から施工まで同じ会社が担う)の場合に活躍しています。
施工の技術力を生かした設計を行えるのが特色で、構造系では様々な特許も併せ持ってることもあります。

設計事務所ランキング

実際にどんな設計事務所があるのか、ここでは売上高ランキング上位5社を紹介します。(2020年度売上高)
なお、売上高でランキングにしているので、組織系設計事務所が上位を占めています

私も仕事の関係でこの上位5社とはやり取りをしたことがありますが、
どの会社の社員の方も非常に高いレベルで業務を遂行しているイメージを持っています。

  1. 日建設計
  2. NTTファシリティーズ
  3. 三菱地所設計
  4. 日本設計
  5. 久米設計

1.日建設計

  • 言わずと知れた国内設計事務所の最大手
  • 120年以上の歴史を持つ
  • 日本国外においても活躍

2.NTTファシリティーズ

  • NTTグループの一社
  • エネルギーやICTを駆使した建築を手掛ける
  • 保守・維持管理にも強み

3.三菱地所設計

  • 三菱グループで130年の歴史
  • 東アジア全般に事業展開
  • 2027年度に日本一の高さとなる東京駅前常盤橋「Torch Tower」を設計

4.日本設計

  • 半世紀の歴史
  • 超高層ビルを多く設計

5.久米設計

  • 個人事務所である「久米建築事務所」が始まり
  • ホテル建築や病院建築を多く手掛ける

まとめ

本記事では設計事務所について、その定義や役割、種類を解説しました。

設計事務所が建築業界で担う役割はなくてはならないものであり、単品デザインであるというやりがいもある仕事だと思います。
興味がある方は設計事務所への就職や転職も考えてみてはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

SNSでシェアお願いします
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次